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「本棚とこれ、婆ちゃん家から貰って来た」と長男(管理人)が自宅玄関に懐かしい代物を。両方とも亡き父が使っていた物だった。本棚は釘一本使っていない物、そして卓上本立ては引き出しがあっていつも父の勉強机の傍らに置いてあった。引き出しの中にはインク瓶、万年筆、字を書いた後インクを吸い取る物、そう丸い取っ手を握って左右に揺らす物等が入っていた。

勉強部屋に入ると怖くて声を掛ける事さえ出来なかった父、いつも苦虫を噛み潰したような顔をしていた父、晩年の父からは想像できない想い出が次々と湧き懐かしい時間だった。

ニスを施し綺麗になったそれらの物はこれから当分長男が使う。